活版印刷とは

活版印刷とは「活字」と呼ばれる金属製の文字型を用いる印刷技術であり、ルネサンスの三大発明と呼ばれるほど古くからの技術です。文字型を一文字ずつ組み合わせて文章を表現したものを版といい、版にインクを付け紙に強く押し付けることで印刷を行います。

そのため活版印刷では、版を構成するために大量の活字が必要になります。特に日本語の場合はひらがな・カタカナ・漢字それぞれの活字が必要があり、さらにそこから行書体や楷書体といった書体ごとに活字を用意するとなると活字の数は膨大なものとなり、大量の資材と工程が必要となります。

現在の日本では写植技術やデジタル印刷によるDTPが可能となったことから、上記のような課題を抱えていた活版印刷はほとんど使われることはなくなっており、まさに絶滅危惧種と言える存在です

ではなぜそんな状態になりながらも、活版印刷術は残り続けているのでしょうか?
それは活版印刷には、デジタル印刷では表現できない独特の「風味」があるからです。

活版印刷では紙に圧力がかかるため、紙面に独特の凹凸が残ります。また版に付着するインクの量などが印刷のたびにわずかに変わるため、1枚ごとの仕上がりに個性が生まれます。また近年では技術の進歩により、活字を用いずに樹脂版、マグネシウム版、亜鉛版、銅板を作成することが可能になったことで、工程上の問題の解決だけでなくイラスト等の印刷も可能になりました。

技術がデジタルへと進化する中で失われてしまった、レトロなあたたかさが活版印刷の魅力です

参考イメージ

活字

印刷物見本

印刷物見本

TOP